2026年10月31日の渋谷は、6年ぶりにハロウィーン当日が土曜日と重なりました。大混雑になるのではと思いますが、報道から見えてきたのは、以前とは少し違う渋谷の姿です。「こまちえ」のチャトです。
仮装を楽しむ人がいる一方、ハチ公像は仮囲いで見えず、路上飲酒やポイ捨てへの規制も続いています。では、渋谷はもうハロウィーンを楽しめない街になったのでしょうか。2026年11月時点の公式情報をもとに、変わった点を整理します。
6年ぶりの土曜日でも、昔の渋谷とは少し違った
2026年10月31日は土曜日。ハロウィーン当日が土曜日になったのは、コロナ禍だった2020年以来6年ぶりです。週末と重なるだけに大混雑も想像しますが、現地を取材した報道では「思ったより歩ける」と話す参加者もいました。
もちろん人がいなかったわけではありません。スクランブル交差点やセンター街では警察や警備員が人の流れを整理し、仮装した人と写真を撮る姿も見られました。ただ、身動きできないほど人が密集していた時代とは、雰囲気が変わってきているようです。
面白いのは、参加者側の感じ方も変化していることです。以前のように仮装した人同士が写真を撮り合う交流だけでなく、観光客が仮装した人を撮影する場面も増えたという声がありました。渋谷ハロウィーンの楽しみ方そのものが変化しているのかもしれません。
渋谷区が掲げたのは「GOODBYE BAD HALLOWEEN」
2026年の渋谷区が掲げたメッセージは「GOODBYE BAD HALLOWEEN」です。直訳すると「迷惑なハロウィーンにさよなら」といった意味になります。
ここは少し誤解しやすいところです。区がなくしたいとしているのは、ハロウィーンそのものではありません。路上での飲酒や喫煙、ごみのポイ捨て、騒音、撮影などによる通行妨害といった「迷惑行為」を減らすことが中心です。
渋谷区は2026年9月30日の会見で、地域や施設のイベントの中でマナーを守って楽しんでほしいと呼びかけています。つまり「仮装するな」ではなく、路上を大規模なイベント会場のように使わないでほしいという考え方に近そうです。
チャトハロウィーン禁止というより「迷惑行為はやめよう」という線引きなんですね
ハチ公像まで囲うのはなぜ?
2026年は、渋谷駅前の忠犬ハチ公像も10月30日6時から11月1日朝まで仮囲いが設置されました。待ち合わせ場所として有名なハチ公が見えなくなるので、かなり強い対策に感じます。
ただ、目的は観光客を締め出すことではなく、駅前に人が集中することによる混雑や混乱を防ぐためです。ハチ公前はもともと人が集まりやすいうえ、ハロウィーンでは写真撮影の人も重なります。安全面を考えると、人が立ち止まる理由を一つ減らす意味は大きそうです。
2026年10月31日17時から11月1日1時までは、報道機関向けのプレスエリアも2か所設置されました。取材する側も場所を分けることで、一般の通行と撮影が入り混じって混雑するのを防ぐ仕組みです。
路上飲酒禁止はハロウィーンの日だけではない
「ハロウィーンだからお酒が飲めない」と思っている人もいるかもしれませんが、ここは違います。渋谷駅周辺の対象エリアでは、2024年10月1日から毎日18時から翌朝5時まで公共の場所での飲酒が禁止されています。
以前はハロウィーンや年末カウントダウンなど特定の期間が中心でした。しかし、路上飲酒が日常的になり、ごみや騒音などの問題にもつながっているとして条例が改正されました。つまり2026年10月31日だけ特別に作られたルールではありません。
さらに2026年のハロウィーンでは、10月31日18時から翌5時まで周辺店舗へ酒類販売の自粛も要請されました。「コンビニで買って外で飲めばいい」という過ごし方もしにくくなっています。
- 渋谷駅周辺の対象区域は18時~翌5時まで路上飲酒禁止
- ハロウィーン限定ではなく通年のルール
- 2026年10月31日は周辺店舗にも酒類販売の自粛を要請
2026年からはポイ捨てで2,000円の過料も
もう一つ覚えておきたいのが、ごみのルールです。渋谷区では2026年6月1日から、区内全域でごみをポイ捨てした人に2,000円の過料を科す仕組みが始まりました。
これもハロウィーン限定ではありません。巡回員がポイ捨てを現場で確認した場合に対象となり、原則としてその場で徴収されます。ハロウィーン当日は巡回体制も強化されました。
以前の渋谷ハロウィーンでは、終了後の大量のごみがたびたび問題になりました。「マナーを守りましょう」というお願いだけだった頃から、条例と過料を使って具体的にルールを守ってもらう段階へ進んでいることが分かります。
2023年の「来ないで」から何が変わった?
数年前と比べると、渋谷区から発信される言葉にも違いがあります。2023年は「渋谷はハロウィーンイベントの会場ではありません」と掲げ、ハロウィーン目的で渋谷駅周辺へ来ること自体を控えるよう強く求めていました。
当時はコロナ禍後に観光客が急増していたことに加え、韓国・梨泰院で起きた雑踏事故への警戒もありました。渋谷区は人が集中すれば雑踏事故やトラブルにつながるとして、安全を優先する姿勢を明確にしていました。
それに対して2026年のメッセージは「GOODBYE BAD HALLOWEEN」。来街そのものより、路上飲酒やポイ捨て、通行妨害といった行為に焦点が当たっています。規制が緩くなったという意味ではありませんが、伝え方は少し変わっています。
「渋谷で楽しむ」場所が路上から移っているのかもしれない
渋谷ハロウィーンというと、スクランブル交差点やセンター街に仮装した人が集まる光景を思い浮かべます。ただ、行政側が目指しているのは、その楽しみを街のイベントや施設の中へ移していく形です。
路上は誰か一人のイベント会場ではありません。通勤する人、買い物をする人、観光客、周辺に暮らす人も同じ場所を使います。そこに大勢が立ち止まり、撮影や飲酒を始めれば、安全に歩くこと自体が難しくなります。
2026年の渋谷で参加者から「昔とは違う」という声が出たのも、この変化と無関係ではなさそうです。自由に集まる路上の祭りから、ルールのある場所で楽しむハロウィーンへ。渋谷はその途中にいるように見えます。
これから渋谷へ行くなら知っておきたいこと
2026年の渋谷ハロウィーンを見ると、「規制が厳しいから終わった」と一言で片付けるのは少し違いそうです。仮装して楽しむ人は残っていますし、街からハロウィーンが完全になくなったわけでもありません。
一方で、渋谷駅周辺の路上を自由なイベント会場として使う時代からは確実に変わっています。18時から翌5時までの路上飲酒禁止や、ポイ捨てへの2,000円の過料は、ハロウィーンが終わった後も続く日常のルールです。
私なら「渋谷でハロウィーンを楽しめるか」だけでなく、「どこなら周りに迷惑をかけず楽しめるか」まで考えたいところです。2026年の「GOODBYE BAD HALLOWEEN」は、これからの渋谷の楽しみ方を考えるメッセージとも受け取れます。





